毎日新聞・首都圏版(2013年10月1日)
スーパー堤防:江戸川区に質問書 立ち退き対象者、設置で
 江戸川区北小岩1の江戸川右岸で、同区と国土交通省が進めている「スーパー堤防」整備と土地区画整理事業について、立ち退きを求められている住民を支援する公共事業改革市民会議(橋本良仁代表)が30日、「わずか5カ月で立ち退きを迫るのは強権的」などとする多田正見区長あて質問書を提出した。

 事業は同区北小岩1と東小岩3の一部(計約1・4ヘクタール)を盛り土して幅約150メートルのスーパー堤防を建設し、その上に街を作る計画で、2016年春完成を目指している。

 区によると、方針決定当初は地区内に88の地権者がいたが、うち約20地権者が買収に応じ地区から転出。約30地権者が、堤防建設を前に土地、建物の評価や住宅の解体、移転費補償などを受けて転居し、3年程度の仮住まいを経て元の土地に戻る移転補償契約に応じた。計画に反対する住民11人は事業取り消しを求めて11年に東京地裁へ提訴し、係争中。

 区は地権者に、12月16日までに立ち退きを迫る仮換地指定通知などを7月に発送した。一方、質問書は▽一方的立ち退き強制はあってはならず、通知までどのような法的手続きを取ったのか▽事業終了後に戻った住民に、住宅新築費用は全額補償されるのか??などと指摘。記者会見した橋本代表は「地権者の半数が(移転するか)悩んでいる中で、とんでもない強硬手段」と非難し、同席した訴訟の原告の高橋喜子さん(83)は「若くして夫を亡くし、預金も無い自分に、また家は建てられない」と話した。

 区は10月15日をめどに回答するとしている。【町田結子】